5.ピンポン 音の記憶

オリンピック 卓球ミックス・ダブルス で日本の水谷・伊藤ペアが最強の中国を破り優勝したのは感動した。準々決勝ドイツ戦の接戦もまれにみる好試合だった・

 私は定年後20年ほど卓球を楽しみ友人も多くでき良かったと思っている。

 

 昭和18年2月11日(小学5年生のとき)学校で紀元節(今の建国記念日)の式典があった。現在では考えられないほど先生も生徒も緊張していた。

 校長先生の教育勅語奉読が始まる直前、誰か生徒のポケットからピンポンが落ちたのか、カンカンカンと乾いた音が講堂内に響いた。出席していた生徒は凍り付いた。

 顔を真っ赤にした担任の教師が出てきて、落ちたピンポンを荒々しく踏みつけ、式は続けられたがその後のことは知らない。でもあの音は今でも鮮明に覚えている。

 当時ピンポンは遊び時間に先生に内緒で、机の上で下敷きをラケット代わりに打って遊ぶことがよくあった。見つかったらげんこつものだけれど。